アイスランドツアーのマジック。出会って5ヶ月で結婚する秘訣。
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特別企画「tripro VOICE アイスランドWEEK」
アイスランド総合研究所の企画「アイスランドに関する記事募集」でご応募いただいた記事のうち、「特別賞」「優秀賞」に輝いた記事を掲載しています。
今回の記事は「特別賞」に輝いた、白井正輝さんによる「アイスランドツアーのマジック。出会って5ヶ月で結婚する秘訣。」です。


アイスランドツアーを介して出会い、結婚した僕と妻の馴れ初めについて、ツアー中に起こったマジックを3つ紹介しつつお伝えする。セレンディピティな出会いを求めている方には、参考になる部分があると思うので、特に読んでいただきたい。


私たちはそれぞれに、「小倉悠加さんと行くアイスランドエアウェイブス2011ツアー」(当時主催A&TM社)に申し込み参加した。
旅行の日程は2011年10月11日からだったが、10月1日に行われた参加者への旅行説明会の会場で、私たち二人は初顔合わせをした。

初めて会った時の印象は、お互いに良いものではなく、僕は遅刻してきてボサボサの髪でヘラヘラ笑いながら謝罪している彼女に対し、悪い第一印象を持ったことを覚えている。


アイスランドエアウェイブスとは、首都レイキャビク市内で毎年10月~11月の一週間(日程は毎年変更される)を通して開催される、音楽祭、いわゆるフェスである。
小倉悠加さんは、アイスランドの音楽を日本に紹介している方で、アイスランドの音楽業界関係者では、最も有名な日本人の一人。小倉さん本人ががツアーに同行し、エアウェイブス中に演奏するアーティストの解説や、市内10カ所以上の会場で開催されるライブの効率的な巡り方を教えてくれる。それだけではなく、小倉さんが個人的に仲良くされているアーティスト達のプライベートなスタジオに特別に招待される特典も付いている。


このツアーに参加する全員が、アイスランドの音楽マニアであることは、100%間違いない。世界的に有名なビョーク、シガーロス、ムームといったビッグバンドだけでなく、ソーレイ、マイナーリフレクション、オブモンスターズアンドメンといった、おそらく日本人の99%以上の人が知らないであろうアーティストを目当てに参加するような強者が揃っているツアーなのだ。


2011年のメインアーティストは、ビョークだった。ツアー日程中に2回のライブがあったが、そのうち1回は、ツアー参加者全員にチケットの手配が確約される(有料オプション)。運の良かった参加者は、朝一番に並んで無料チケットをゲットし、ビョークのライブを2回見る事が可能であった。もちろん僕は、2回とも見て、ビョークの生歌に激しく感動し、シビレた。
ここまで、長い長いエアウェイブスツアーについての説明になっているが、この説明に1つ目のマジックが隠されている。長くなるので後述する。


さて、音楽的嗜好の違う僕と彼女は、ビョークのライブ以外は、見たいアーティストが全くと言っていい程違っていた。その為、一週間のツアーを通して多くの時間を共有したわけでは無かった。ただし、時に偶然ライブ会場で、時に会場から会場への移動や休憩時にすれ違って、一言二言話したり、行き交った数人のツアー参加者で一緒に食事をしたりといった程度の交流しかなかった。


2つ目のマジックは、エアウェイブスの終盤に起こった。僕は特に見たいアーティストがいない時間帯だったので、メインストリートをウロウロと彷徨っていた。偶然通りかかった彼女に声をかけ、これからどこに誰を見に行くのか尋ねてみた。特に予定もないので、彼女とKEXという会場に行くことにしたが、辿り着くと急遽見たかったライブはキャンセル(割によくある)になっていた。
仕方がないので僕たち二人は、KEXの素敵なカフェバーで、軽くスイーツを食べることにした。これが記念すべき二人の初デートとなった。注文するためにバーカウンターに向かった時、突然アイスランド人の婦人が僕に声をかけた。「あなたは日本人ですか?」と訊かれたのでイエスと答えると、「そうだと思ったわ。雰囲気でわかるわ。」と仰り、なぜだか特大の黒ビールをおごってくださった。全く経緯は解らないが、とにかく親日家の方だったのだろう。僕は、婦人とその夫であろう男性と共に記念に一枚写真を撮ってもらった。写真を見ていただければ、皆様にも僕がこの時感じたアイスランド人の温もりをお裾分けできるだろう。

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この写真は、妻が僕を人生で最初に撮影した一枚となった。


3つ目のマジックは、ヘトヘトに疲れて、帰路についた成田空港で起こった。僕と妻は、たまたま二人っきりで同じ路線で帰る事になった。ヘトヘトになった僕は、電車内でアイスランドが素晴らしかった、日本から移住したいなどと吐露していたことを覚えている。二人とも計14時間のフライトで疲弊しきっていた。途中の乗り換え駅で、またいつか会おうと言って別れた。しかし、この時僕はもう二度と彼女には会わないであろうと思ったのだった。特に恋愛感情はなかったのだ。10日間の旅を通して、僕と妻の間には、恋心など微塵も生まれていないのであった。


なぜ、恋愛感情が生まれないことがマジックなのか?僕らの間には、一目惚れや、ビビビなどといった類いの感覚はゼロ、旅を共にした仲間という意識だけが強烈に残った。この非常に冷静で恋愛というよりも友情の感覚が、3ヶ月後のクリスマスイブ婚約に繋がったと僕は断言する。アイスランドツアーで二人に芽生えた感覚は、イチャイチャ、ラブラブなどといった甘いものではなく、その大自然のなかで共生すべく生まれる、共助、友愛の共存精神だったのだ。結婚した理由について妻は、僕と一緒に年老いていくイメージが持てたからだと言ったエピソードが、いかに共存精神であるかを物語っている。


最後に、1つ目のマジックについて書く。皆様もうお分かりだろうか。このツアーに参加したアイスランドの音楽が好きな、ハードコアマニアたちは28人もいた。そして、主催者の小倉さんや旅行会社の栗原さん、写真家のシバノジョシュアさん、このツアー中にかかわったアーティストや、出会った人々全員が、マジックだった。誰1人欠けても、僕たちは結婚しなかったかもしれない。アイスランドエアウェイブスのツアーを経て、僕たちは2012年2月12日に結婚した。ツアーで出会った全員にこの場を借りて感謝したい。

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今年の8月は、妻と娘の3人でアイスランドに行って来ました。

アイスランドのことが気になってしまったあなたへ!
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