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「リーミンウェイとその関係展」が教えてくれたこと。“誰かとつながる”アート展

プロジェクト・繕う

リーミンウェイとその関係展

絵を見るだけが美術館じゃないんです。見知らぬ人に花を渡したり、誰かへの手紙を置いて帰ったり、そういう形のアートもあるんです。
アートに興味がなくても、“つながり”を考えさせられる面白い企画展が六本木で開催中。

来年1月4日まで、森美術館で開催中

今回ご紹介する「リー・ミンウェイとその関係展」、開催場所は森美術館。

わたしは先日の三連休最終日に訪れたのですが、その2日前の11月1日から森アーツセンターギャラリーでスタートした「ティム・バートンの世界展」は大混雑で60分待ちなんていう看板が…。
ティム・バートンの世界
▲「ティム・バートンの世界展」激混みでした

「参加することもアートなんです。」

この企画展は体験型アート。イベントだったり事前申し込みや抽選が必要なものもありますが、来場者の誰でも参加できるアートも。

ひろがる花園


ひろがる花園

ひろがる花園2

参加したい人は、このガーベラを1輪持ち帰る代わりに、帰り道で見知らぬ誰かにその花を渡すという企画。
知り合い同士でも渡すのは少し気恥ずかしい“花”、まして知らない人に差し出すとなれば相当な勇気がいること。でも、たった1輪のガーベラで、もしかしたら生涯関わることのなかったであろう人の人生に一瞬でも介入するって、すごいことだと思いませんか?

プロジェクト・手紙をつづる


誰かが書いた誰かに宛てた手紙を読んだり、自分自身も手紙を書ける。
そういう参加型アートです。
プロジェクト・手紙をつづる
自分が書くときは、封をして住所を書けば運営スタッフが代わりに投函してくれるし、封をせずに置けばそのまま作品として展示され、誰もが読むことができます。
手紙をかくこともできます
お母さんから子供たちへ、初恋の人へ、恋人へ…飾られているのは、いろんな人の、いろんな想い。読んでいると、書き手の人と繋がった気分になる、そんなプロジェクト。
わたしもちゃんと書いて、封をせず置いてきました。

行く前から気になっていた作品でしたが、実際行ってみてもやっぱりこれがいちばん好きでした。

布の追憶


紐で結ばれた17の箱の中には、一般の人の思い出の布類とそのエピソードがしまわれています。
布の追憶
ひと箱ひと箱紐解いて、誰かの大事な記憶を見つめるって、普通じゃありえない体験。〈手紙をつづる〉と同じく、誰かと自分が、このアートを通じて関係性を構築したような気がします。

このほか、事前抽選式プロジェクト〈繕う〉のためのセットや〈ともに眠る〉の寝室、イベントとして開催される〈プロジェクト・リビングルーム〉、ピカソの「ゲルニカ」を砂絵にしたもの、などがリー・ミンウェイの作品でした。

プロジェクト・繕う
▲〈プロジェクト・繕う〉

ともに眠る
▲〈プロジェクト・ともに眠る〉の寝室

プロジェクト・リビングルーム
▲〈プロジェクト・リビングルーム〉この日はイベント開催日ではなく休憩スペースに。とても美しかった、午後4時の街。

他アーティストによる関連作品

この企画展もとより、リー・ミンウェイが大事にしているのは“つながり”や“他者との関係性”。それらをより深く考えるために、他11人のアーティストの関連作品も展示されています。

中でも、わたしが惹かれたのは、この2つ。

    ・田中功起の映像作品〈どれもこれも〉
    ・李禹煥(リ・ウーファン)の絵〈点より〉〈線より〉

どちらも撮影禁止エリアの作品だったので写真がないのですが、実際に会場で見るか、李禹煥の絵に関しては検索すれば出るかと思います。

どれもこれも〉は、とある居酒屋の店主が1人もくもくと仕込みをしている調理場の映像。
ただ食材を切ったり、調理したり、洗い物をしたりと決して何か面白いことが起きるわけではないのに、なぜか食い入るように見つめてしまう…それはわたしだけでなく、ほかの来場者の人たちも同じでした。
人の日常を見ることは、ある意味どんな不思議な映像よりも興味深いものなのかもしれません。

ただの点・ただの線が書かれているだけの李禹煥の絵。何がどういいのかと言われたら、答えることはできないのですが、わたしはこの絵がすごく好きでした。


誰かとの繋がりの中で生きているということを実感させられた「リーミンウェイとその関係展」
1人で行って自分の周りの人たちについて考えたり、大切な誰かと行ってその存在を確認してみてください。

ちなみに、けやき坂のイルミネーションも始まっていました。
けやき坂イルミネーション

【リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる】
会期:2014年9月20日(土)~2015年1月4日(日)
会場:森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F)
公式サイト:リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート

この記事を書いた人

まりあ

まりあ

94年3月東京生まれ、日本語日本文学専攻。3大欲求は書きたい食べたい撮りたい。美術館へ行くカカオジャンキー。