フランスの新幹線の企画車両「iDTGV」ってなに?オトクなのに旅の思い出倍増!
フランス

フランスの新幹線としておなじみのTGVに、企画車両・iDTGVが毎日数本あることをご存知ですか? イヴェントつきの特別車両なのに、価格は通常のTGVより抑え目。早割利用なら、パリとフランス各地の多くの主要都市間のチケットが、片道たったの19ユーロ(約2,400円)なんです! 今回は、iDTGVについてと、その乗り方についてご紹介いたします。

フランスの新幹線・iDTGVを上手に利用して、パリから日帰りの旅を楽しもう!

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六角形のフランスを縦横斜めに延びるTGV。その気になれば、パリを基点に、東のアルザス地方南西フランスのボルドー、南下してリヨンや南仏プロヴァンス地方へ日帰りすることだってできます。例えば、アルザスのクリスマスマルシェを楽しんだり、ボルドーでワインセラーを訪ねたり、リヨンで美味しいランチを散策したり、南仏で画家たちの軌跡を辿ったり……と、色とりどりのフランスを、荷物はパリのホテルに置いたまま、身軽に堪能できちゃいます。
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そうでなければ、そのままコートダジュール、そして、その先の、モナコやイタリアに移動していくことも出来るので、愉しみ方は人それぞれ。飛行機と違って、荷物の重量制限や持込制限がないのがとても便利だし、チェックインや荷物待ちの時間や手間を考えると、ドアツードアの時間はほぼ同じになることも多いので、私は、国内移動は、飛行機よりももっぱらTGVを利用しています。ちなみにパリ―マルセイユなら、TGVだと3時間半目安、飛行機なら1時間半+予備に必要な時間も1時間半程度です。

日にちや時間によって料金の違うフランスの列車。1日数本のiDTGVなら、さらにお得!

日本の新幹線は、日にちや時間によって料金が変わることはありませんが、フランスのTGVは、1本1本、設定価格が違います。
早割りや学割があるのは同じですが、面白いのは、企画つきの列車iDTGVが毎日3本ほどあること。通常の12両編成のTGVに、4車両ほどの独立したもう1本が連結されて運行するもので、同じ時刻に出発して到着することになるものの、iDTGVの方は設定料金が割安になっています。双方の行き来はできません。
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従来のTGV同様、どの列車も全席指定制で、車両は1等と2等で違いがあります。その両者は料金がずいぶん違うものなのですが、iDTGVに関しては、全く同じ金額設定だったり数百円の違いしかないことも多いのが魅力のひとつ。座席の大きさや質感はもとより、移動中に電源を確保したいなら1等の窓側がお薦め。窓のすぐ下、テーブル手前に差込口があるので、重宝します。ただ、コンセントの形はフランス仕様で、出力200ボルトなのでご留意を。

出会いふれあいを楽しみたい?静かにひとりで過ごしたい?-どちらも可能です。

活気あふれる2階車両

TGVは2階建て、乗降口は各車両1ヶ所。1階の乗降口を入ってすぐ左手には2階へと続く階段があって、それぞれの車両が連結されています。2階に乗ると、グルメ試食やメガネなどの試着など車内販売のようなワゴンが通路をぐんぐん回ってきます。興味がない顔をしていればそのまま素通りしてくれるし、試したい・知りたいという場合には、身振り手振りでもコミュニケーションできます。見ず知らずでたまたま乗り合わせただけでも会話が弾むのがフランスの面白いところで、「美味しいですよね」「似合いますよ」などと、距離がぐっと縮まるのが楽しいです。
フランス人達は自国語を愛しているので英語で話しかけてもフランス語以外で答えないというのはひと時代前のことで、今は、英語を話す機会を持ちたくて仕方ない人も多いぐらいです。たまに、日本語を話したくて仕方ないという人に出くわすことさえありますから、言葉の壁はそう高くないかも。

静かに過ごせる1階

そして、すぐ右が1階座席のWagon車両の入り口。各車両で独立型です。ここには車内販売みたいなワゴンは来ません。自動扉は真ん中のボタンを強く押さないと開かないし、その車両の指定券を持っている人以外は車掌さんとゴミ係の人、そして、予約していた食事を運んでくる人しか入ってきません。

どちらも料金は同じです。活気溢れる2階と静かに過ごしたい1階どちらにするか、そして、窓側通路側も選べます。また、1等車両なら、通路を挟んで片側が1席だけ、もう片側は2席並びになっていて、その指定もできるので、自分スタイルでどうぞ。

iDTGVならではのメリット

軽食を席まで運んでもらえます!

iDTGVでは食事や軽食の予約も同時しておけて、座席に運んできてくれるんです。もちろん、持ち込みはOKだしビュッフェ車両で買うこともできるのですが、身軽に飛び乗りたい時や、座ったらもう動きたくない時などには、とても助かるシステムです。

遊びゴコロたっぷりの特別車両!

今回初めて家族3人でiDTGVを利用したのですが、思っていた以上にいい時間を過ごせました。そのわけは……なんと、カジノ列車だったんです。
特別車両つきのiDTGVでよくあるのが、ビュッフェ車両を改造したもので、サンタクロースの家になっていたり、プールが設えてあったり、トレーニングジムだったり……と遊びゴコロたっぷりです。もちろん無料です。

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私たちが乗ったカジノ列車も、ビュッフェの一角が改造されているタイプでした。参加の方法は、各々赴けばいいだけ。最初にコインを5枚貰えて、ルーレットで腕試し。ここで、コインが増やせたら、ポーカーに参加できます。
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ルールさえ理解できるなら、年齢制限もなし。1番左端が、13歳の息子です。一緒に始めたパパは早々に撤退となってしまったのに、1時間半以上、”閉店”になるまで楽しんで、(換金の代わりに用意されている)いろんな景品をいっぱい貰って来ました。

iDTGVで、ヴァカンスを!

大きなテロが続いて、非常事態の期間がさらに延長されることになったフランスでは、正直なところ、日常生活での緊張感が増えました。でも、家の中に籠もっているのが解決策でもないし、よりよい未来を望むなら、皆が今までどおりの暮らしを続けることが一番大切なこと。そう思う人がほとんどだし、カメラを向けられたら笑顔で「ゼンゼン平気」と答える人が多いでしょう? でも、手放しで怖くない人なんて(私の周りには)いないんです。毎日をより楽しく暮らすこと、素敵なことを見つけて共有し合うこと、いっぱい笑うこと。だから皆、いつも通り、ヴァカンスに出かけました。そして、9月からの新年度もいつも通りに始まっています。
iDTGVも、盛りだくさんの企画が待っているようですから、ぜひ!
無料での肩ほぐしマッサージや足もみ(それぞれ15分ほど)が実施されるのが、いつのどの列車なのかを事前に公表されている場合もありますし、早割を上手く利用すれば、パリに滞在しながら地方都市への日帰りも楽しめてしまうので、スーツケースを引きずりながらの移動のわずらわしさも要りません。せっかくなら、パリだけでなく、手ぶらで身軽にフランス各地の空気を満喫してはいかがでしょう?

この記事を書いた人

ボッティ喜美子

ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。Framatech社主催の仏ビジネスマン対象のセミナー『日本人と仕事をするには?』講師は10年目(年2回)。英語・スペイン語も少々。

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