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マルセイユは治安が悪い?観光の注意点と「GPファイナル2016」会場を在住者がご紹介!

マルセイユ治安

まもなく、今年2016年のフィギュア・スケートの決勝。その舞台となるのは、フランス・マルセイユ。

……とはいうものの、このフィギュア決勝の会場となるPalais Omnisports(パレ・オムニスポーツ)は、市の中心部ではないこと、ご存知ですか? たとえば、ヴュー・ポー港からなら約6km。歩いてはムリだけれど、そう遠くない印象を受けますよね。でも、メトロの駅からはうんと遠くて、建物の見える場所に停留所のある公共バスは1路線のみ。しかも、治安はフランス1悪いことでも知られるマルセイユ。

じゃあ、会場の近くに宿泊した方がいい? いいえ、せっかくなので、ご滞在は市の中心部や海沿いに、ぜひ! その上で、必要以上に警戒したり、無駄に怖がることなく、マルセイユのいいところを目一杯堪能していっていただけたらと、いろんな角度から写真を撮ってきました。より快適なご滞在の一助になりますように!

会場となるのは、Palais Omnisports(パレ・オムニスポーツ)

意外と知られていないんですが、フランス第2の都市とも言われながらも、相変わらず、繁華街と呼ばれる地域もとても小さい南仏マルセイユ。多くの人が自家用車を利用する習慣は相変わらずなので、メトロは2路線しかないままなのに、それでも、生活する人々にとってはそう不便もないせいなんでしょうね。

この施設も、出来てから7年。車で来る人がほとんど、特別なシャトルもないままです。付近の様子や、行きかたは、後半でご説明しますね。

マルセイユ治安

マルセイユの治安と特徴、注意した方がいいこと

南の玄関とも言われるマルセイユは、フランス最大の港湾都市。その土地柄、パリや北フランスよりも、地続き・海続きのイタリアやスペインとの方が近い雰囲気です。地中海を隔てて、すぐ目と鼻の先にはアフリカ大陸なこともあって、フランス1移民居住者が多いことでも知られています。界隈によっては、目に入る看板類も、耳に飛び込んでくる言葉も、海の向こうのものばかりが続くことも。

治安が悪いのもフランス1なマルセイユ。ひとりではこうした場所(カネビエール大通りから1、2本入った裏通りなど)にふらりとは行かない方がいいのは、住んでいる私でも同じこと。アジア人はただでさえ多くはない南仏なので、良くも悪くも目立ちます。服装は、なるべく貧相にというアドヴァイスをよく見聞きしますが、私はそれはあまりお薦めしません。いつもの自分と違う姿だと居心地悪いでしょう? それに、民族服に身を包む人が多い地域では、頭にスカーフをしていないだけで目立ったりするので”同化”するのはムリなんです。

マルセイユ治安

港近くを歩くのに、いかにもブランドというスタイルや貴金属は狙われるから避けた方がいいけれど、逆にあまりにも貧相にしていると、ブティックやカフェでの扱われ方がぞんざいになるもの。自分が1番寛げるスタイルでいた方が、よけいな緊張感を見せることなく、自然体でいることこそが逆に隙を作らない気がします。

安全のための目立たない服装にというなら、せっかくの滞在、いっそマルセイユのブティックで、現地で流行のファッションに着替えてしまうのも楽しいかも。私は、初めてブラジル・サンパウロに行ったときに、2日間、日中はひとりで過ごさなくてはいけなくて、でも、出かけたかったので、そうしました。住んでいるように見えれば、現金はまず持っていないと思われるので、バスで移動するのも躊躇わずに済みますよね。

危ない地域・事例はたくさんありますが、ポイントとなるのは、避けるべき場所を知っておくこと。とくに、TGVの駅の外階段から大通りへの道は、私は、昼間でも大きな荷物を抱えていたらひとりでは歩きません。でも、とてもフォトジェニックな場所なので、写真を撮るのはお薦め。両手の自由になる状態で、近くでピタリと寄ってくるような人さえいなければ、安心してセルフィーもできます。

具体的な過去の事例・注意点などは、マルセイユの日本総領事館のホームページに細かくでています。

パレ・オムニスポーツへの行き方と周辺風景

さて、話は戻って、パレ・オムニスポーツ。この会場があるのは10区。ホテルやカフェ・ビストロが立ち並ぶヴューポー港の辺りからは約6kmと書きましたが、具体的には、車なら有料トンネルを使えば15分ほど。メトロとバスだと35分。そう、マルセイユで、都会への先入観を裏切る1番大きなものは、メトロが2路線しかないこと。ほとんどは、バスとの併用になります。ただ、乗車チケット1枚(回数券なら1回分)で1時間以内の利用なら、何度でも、公共交通ならなんでも(メトロ・バス・トラムウェイ)乗り換え乗り継ぎ自由、約200円しかからないことになります。乗車チケットは、メトロの改札脇やTabacタバと呼ばれる雑誌やタバコを売る店などで買える他に、運転手さんからも(割高になりますが)乗車時に買うことが出来ます。

2013年に欧州文化首都を務めたのをきっかけに、街のあちこちがリノベーションされたり、トラムと呼ばれる路面電車も整備されて来ているんですが、車中心生活の人の比率は相変わらず多いので、今回のこのフィギュア・スケート決勝の会場も、公共交通で行くには少々不便なところ。メトロからはうんと離れているし、施設前に停留所のあるバス路線はひとつだけ。その路線バス・72番の時刻表は、こちら

さて、72番のバス停の名前は、Bonnefoy Palais Omnisports。これは、メトロ1号線のTimone方面から、メトロのRond Point du Prado行きに乗った場合。

マルセイユ治安

メトロ2号線のRond Point du Pradoから乗ってきた場合には、反対車線のこのバス停。

マルセイユ治安

ちなみに、もう1路線18番があるんですが、バス停が少し離れています。具体的には、このまま進んで……

マルセイユ治安

突き当りを右へ。このもう少し先100mほど進んだところになります。

マルセイユ治安

左に曲がると、建物の裏側の搬入出入り口。

マルセイユ治安

写真左側のフェンスが、Palais Omnisportの敷地。後方に見えるのは、高速道路。

マルセイユ治安

そして、これが、高速道路の上から眺めた様子。

港から6kmとはいえ、ずいぶん離れている感覚になるのがお分かりいただけるかと思います。よく見かけるマルセイユのイメージ写真の数々とは全く違う風景でしょう?

マルセイユ治安

観戦パックツアーの場合には、有料・無料で利用ホテルとのシャトルバスを運行している会社もあるようですが、マルセイユのホテル自体は、そうしたサービスはしていません。

ただ、タクシーの手配はしてくれるので、同じ運転手さんに送迎を頼むのも安心だと思います。港ではなく、会場近くのホテルにしておけば、その分、費用も抑えることが出来ますが、せっかくマルセイユで過ごすなら、港や海に面したホテルが心地いいですよ。

空港から駅へのシャトルバス、メリットとデメリット

空港から市内へは、TGVも到着する玄関口の駅・サンシャルル行きのシャトルバスNavette Marseille Aeroportが片道8ユーロ40(=約1,000円)ほどで出ていて、時間もほぼ正確だし、荷物も無料で預けられるし、フリーWifiも付いているし、清潔……がメリット。ただし、荷物タグはないので、到着時にちゃっちゃと手にしないと、盗られてしまうことも。これは、空港の預け荷物も航空会社によっては、誰でも入って来られるので注意が必要です。私は、パリのオルリー空港で黒いミニスーツケースをビジネスマン風の人に盗って行かれそうになって、大声出して掴んだことがあります。このパターンはよくあるそうなので、万人が持っても違和感のないバッグを預けるときには、時に注意が必要ですね。

そして……バッグの開閉の機会が多いので、ご注意を! テロへの警戒もあって、いろんな場所で、建物内に入るときにはバッグを開けることを求められます。私は、小さな電子機器などをいくつも持っていることが多くて、スムーズに済ませたいので、そうしたものや、貴重品などを、小分けしてジプロックに入れて、解ってもらいやすくしています。万一、「取り出して見せてください」といわれた場合にも、それだけ出したらスムーズですから。そして、バッグはすぐに閉めるようにしています。ご参考になれば……。

どうぞ、素敵なご滞在を!

Bienvenue chez nous! マルセイユへようこそ。

Chez nousシェ・ヌ(ゥ)は、我が家という意味ですが、住んでいる土地や出身地を指すときにもよく使います。「たとえば、Chez vousシェ・ヴ(ゥ)ではどうなの?」と日本の習慣を訊かれる時もあるし、単純に「お宅ではどうなの?」という場合も。

……というわけで、私が暮らしている街マルセイユへようこそ。Bienvenue chez nous!

マルセイユ暮らしも13年。港越しにノートルダムを一望するこの場所は、MuCEMという地中海文明美術館の屋上からのもので、私の好きな風景のひとつ。空気が届けば、幸いです。

この記事を書いた人

ボッティ喜美子

ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。英語・スペイン語も少々。