確実に日本からドイツへ荷物を送る方法~トラブルとその対策について~
ドイツ

家族へのプレゼント、あるいは留学や長期のご旅行、お引越し。
海外に荷物を送ろうと思い立った時は、ちょっと気を付けてください。
海を越えてお荷物を送る時にはトラブルがいっぱい。よくてお手元に返送、最悪の場合永遠に荷物は失われてしまいます。
そんな犠牲者がこれ以上増えないために、主なトラブルと対処法についてご案内します。

お手頃で簡単、日本郵便

海外にお荷物を送ろうと思った時、お手軽で一般的なのは郵便局でしょうか。日本郵便の商品とその対策についてまとめてみました。

EMS(国際スピード郵便)

最も優先的に取り扱われ、最速で海外に荷物を送る事が出来るのが、このEMS。
郵便局ではこのEMSで荷物を送るよう勧められる事が多いようです。
しかし、実際にはトラブルが続出し、そう素早くは届きません。
実は、EMSで送った荷物は相手国に到着してからは、現地の「郵便局」ではなく下請け業者が通関や配達を行います。
そのため、EMSの質は現地の業者に激しく左右されます。配達表を入れずに返送する、そもそも配達しない、などの基本的なトラブルの他、委託されている業者がアジアからの貨物に慣れておらず、税関に呼び出されたり、通関を自分で行うよう通告されたりします。
ちなみにドイツのEMSは一時期「税関までしか届けない」業者が請け負っており、受取人は遠方の税関まで呼び出される、関税を余計に払わされるなどのトラブルが多発していました。現在は数々のクレームにより業者が変更となりましたが、フランスやイギリスでも同様の苦情が多発しています。値段が高い事もあり、EMSの評価が低い国では極力使わない事をお勧めします。

航空便

きちんと相手の元に到着する確率が高い輸送方法です。早めに届きます。

欠点は、返送となった場合はやはり航空便で送り返されて来る事です。最悪の場合は高い輸送費+高い返送料を払わされた上で荷物は届きません。

SAL便

陸上では船便として扱い、両国間は航空輸送する商品です。実質航空便のようなもので、船便と異なり、追跡番号もつきますので、航空便と同じく比較的安全な商品です。欠点も航空便と同様です。荷物が戻って来るリスクを考えなければ、お勧め出来ます。

船便

船便では届かなくてもいいものしか送らないようにしましょう。

追跡番号がありませんので、紛失しても発見できません。相手国(ドイツ)に無事入国してからも、配達までには大変な時間(1ヶ月強)がかかり、たらいまわしにされている間に紛失する可能性が高まります。その上返送される場合、勝手に航空便扱いになり、送料の2~3倍の返送料金を求められる事もあります。いいことなしです。
ドイツDHLは近年、船便の取り扱いを止めましたので、ノウハウを失ってしまい、日本にも船便での輸送を止めて欲しいのかもしれません。

とてもよくあるトラブルと原因

・返送された

気付いたら荷物が日本に返送されていた。不在通知は入っていない、という状態です。

よくあります。そもそも配達に来ていない可能性もあります。稀に「宛名書きに記載の住所が間違っていた」という自己責任のケースもありますが、ほとんどは配達員が「配達するのが面倒になった」というような、どうしようもないケースです。ドイツでは、「不在通知」が入っていれば、有料で再配達を頼む事も出来る、と言う事になっています。しかし、再配達は地域の配達員にとっては大変面倒なもの。そのため、不在の場合はそもそも配達表を入れて行かない、と言うケースも発生します。荷物が送り返されて来ても、あまり自分を責めないようにしましょう。

・税関から通知が来た

1.税金を払うように求められている

高額な電化製品や、新品をドイツに送った場合、税金を払うよう求められます。受取人が税関に出向いて関税を払い、税関から荷物を持って帰って来なければいけません。

税関はたいてい辺鄙な場所にあるので、大変ですが、これも法律です。抵抗するのは無駄で、お金さえ支払えば荷物はきちんと手元にきます。

2.通関作業をするよう求められている

届け先を会社や大学など、法人にしていると発生しうる事態です。荷物が透明なビニールで妙に厳重に再梱包され、「ZOLL」などと書かれたテープが張られている場合は要注意です。DHLによる通関作業が行われておらず、保税状態になっています。人間で言う所の空港のパスポートコントロールの列に並んでいる状態の荷物です。勝手に空けると罰金を科せられる可能性があります。ドイツのDHL(もしくはEMSで荷物を任せられた業者)は、通関をする事も配送料金に含まれているのですが、業者が面倒になって貴方に通関作業を投げた可能性が高いです。

この状態の荷物が届いたら、決して荷物を開封せず、すぐに日本で荷物を出した所(郵便局)に連絡しましょう。

酷い目に遭う前に、まずは対策

1.必ず人がいる場所を宛先にする

上記にも述べました通り、「再配達」というシステムが機能していません。再配達をするのが面倒なために、配達表を入れずに日本に送り返すケースが続出しています。学校、会社、ホテルなど、いつ配達員が来ても受取人がいる場所を宛先にする事をお勧めします。

2.「転送(Transfer)」を指定して送る

宛名書きには、万一荷物を指定の場所に届けられなかった場合の処理を選択できます。
atena
1.送り主に返送 2.保管ののち返送 3.転送 4.廃棄
返送になった場合、航空便、船便では返送料金を取られます。(EMS便は返送料金が料金に含まれています。より一層気軽に返送されます)
転送先を選択しておくと、もし真面目な配達員にあたった場合、僅かな確率で転送してくれる事もあります。会社や大学など、ドイツ国内の第二の受け取り住所を書いて置くと良いかも知れません。
なお、廃棄を選んでいる場合、配達するよりも手間がかからないため、高い確率で盗まれるか捨てられるかします。

3.繁忙期を避ける

ヨーロッパの郵便事情が混乱する時期は下記の通りです。
クリスマス時期(11月~1月前半)
イースター期間(3月後半~4月前半/年により変動)
夏休み期間(7月~8月)
この期間は荷物が増える他、職員が休みを取るため、通関や配達が滞ります。また、臨時職員として日雇いのアルバイトを入れるため、配達を行わずに返送、破棄される確率が高まります。

4.サプライズプレゼントは届かない

受け取る人に一言もないまま、荷物を送るのは避けましょう。
受取人が常に気を付けていなければ、配達表も入れて貰えない可能性がある国ですから、サプライズプレゼントはまず届きません。
また、急な税関からの呼び出しに対応するためにも、あらかじめ「何が・いつ頃」届くのか知っておく必要があります。

トラブル発生!すぐに行うべきこと

調査請求書
「荷物の到着があまりにも遅い」「荷物が紛失した?」と思ったときは、すぐにドイツDHLにメールまたは電話で連絡しましょう。日本側のDHLは一切の対応を行いません。
ドイツ語が苦手な場合は、英語でも大丈夫です。メールの方が対応が良く、状況を詳細に教えてくれます。意外に返事が早く、荷物がドイツ国内にある時は対応してくれます。

荷物がもうドイツから出発してしまっている場合には、DHLでは対応できません。日本側の最寄りの郵便局の窓口に「調査請求書」の原本を提出しましょう。郵送、メールでの送付は不可で、身分証明書と共に提出する必要があります。荷物の所在を調査してくれます。

安全に荷物を送るには?

どんなに手を尽くしても、最後の配達員が「面倒だから荷物を捨てよう」となった時には、荷物は届きません。

DHLは日本郵便と同じく元国営企業であり、潰れる要素がないため、今後もサービスが向上する事はないでしょう。また、ドイツDHLにとって日本からの荷物は、あくまで「日本郵便から委託された」ものであり、何かあった時にクレームが来る事はなく、荷物が紛失しても保険金を払う必要もありません。こうした事情から、より一層日本からの荷物は雑に扱われがちです。
 
安全に荷物を送るには、「日本通運」「クロネコヤマト」など、日本側でもドイツ側でも一貫して同じ企業が作業を行う会社を使う事が望ましい限りです。
欠点は値段が高い事で、日本郵便&DHLの1.5倍~2倍の輸送費がかかります。
しかし、「荷物が届かなかった上に返送費用を求められる」場合に比べれば安いもの。
留学や引越しの際など、ある程度まとまった量の荷物を送る際には値段もほぼ変わらなくなりますので、検討してみて下さい。

 

この記事を書いた人

華酉

華酉ライター/中世マニア

北海道生まれドイツ暮らし。大学では歯学と宗教学を修めた為、いつ中世ヨーロッパに飛ばされても活躍できる逸材です。その特性を活かし、日系企業ドイツ支店のお堅い正社員として貿易に励んでいます。 訪れた国は30ヵ国以上、時の権力者に城を陥落されて北海道に逃げ延びたご先祖様の無念を晴らす為、より強い城を求めて各国を放浪中。いつ剣と弓の時代が訪れても良いように、皆様にも選りすぐりの歴史情報をお届けします。

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