コソボ、バルカン半島にある隠れた楽園
コソボ

prizren sity

紛争、貧困、危ない、難民、どこ?、アフリカ?、こわい、空爆、地雷、貧しい、汚い、アジア?、独立国?・・・・・

 

「コソボ」という言葉で連想ゲームをしたら、ズラズラこんな単語が並ぶのではないでしょうか。

それもそのはず。

20世紀の終わりに起こったコソボ紛争。「緊迫するコソボ情勢!」なんて連日ニュースで伝えられたら、「なんかよくわからないけど危なそう」っていう印象があって当然ですよね。

でも大丈夫。ちゃんと紛争、終わってます。国連加盟国半分にしか認められてないけど、一応、独立国になりました。ビールもモールもFacebookもナイトクラブも全部あります。

コソボって本当は、みなさんの想像よりたのしい場所なんです。

そもそもコソボって?

コソボって、どこ?

コソボはヨーロッパ、正確にはヨーロッパの南東部、バルカン半島と呼ばれる場所のちょうど中央にあります。

コソボは過去600年間、オスマン・トルコやセルビアによって占領されていました。が、コソボの大多数の住人はセルビア人ではなく、全く違う人種・アルバニア人。

ということで、「やっぱりなんか違うし、別れましょう」とついに1990年代、コソボが三下り半を突きつけると、セルビアは「え!僕たちの土地じゃん!何を勝手に・・・」と半狂乱になり、もめにもめた末、2008年に米国とEUの支援を受けてコソボは独立を宣言しました。

コソボってヨーロッパで最も新しく生まれた国なんです。
kosovo flag
↑ (コソボの国旗が書かれたTシャツ。黄色い部分は国の形。国の形が描かれている国旗というのはなかなか珍しいと思う。1ミリたりとも国土を削られないぞ、という独立に対する強い思い入れが伝わる。)

 

このピカピカ新生国家の首都はプリシュティナ。

ピカピカの空港もあります。残念ながら、まだ日本からの直行便はありません。

でも最近ではヨーロッパ内でのLCCの普及のおかげで、一旦日本からトルコやハンガリー、オーストリアなどへ行ってしまえば、そこからプラス2,000円ほどでプリシュティナ空港までのフライトがあったりします。意外にも、思ったほどアクセスは悪くないのです。
young people kosovo

young people 1
プリシュティナに降り立って一番先に目につくものといえば、破壊された建物や逃げ惑う人々ではなく、とにかく若者・ワカモノ・WAKAMONOです。右を向いても左を向いても若者だらけ。

 

コソボという国は、全国の人口200万人中、75%が35歳以下というおそるべし若者国家。国土面積は岐阜県と同じということですから、想像してみてください。

 

岐阜県に若者がごった返している様を。

 

ピチピチのジーンズで町を闊歩してる姿を。街角にたむろして異性を物色している姿を。どこでもスマートフォンでおしゃべりしてる姿を。しかもその若者の実に50%が失業中ということですから、もう大変です。

暇とエネルギーが有り余っている若者が、昼夜問わず町中にあふれています。それがコソボです。

とても活気があります。むしろ活気しかありません。活気のオリンピックがあったら夏季・冬季ともに表彰台独占間違いなしです。

 

コソボの観光名所?

ではこの勢いに乗っていざ、コソボの観光名所をガイドブックで調べてみましょう。

ユネスコ世界遺産登録!中世の建造物群!」の文字が躍っていることが少なくありません(というかたいていはこれのみ)。
church

church 1
↑ (コソボ第二の都市・プリズレンにある「リェビィシャ聖母教会」。地元の人は「ユネスコに保護されている教会(The church protected by UNESCO)」と呼ぶことが多い。)

 

まぁ確かにユネスコ世界遺産なのですが、うーん、実はこれ「セルビア正教会」という、セルビア人が信じている宗教の教会群のことなのですね。おまけにコソボって、まだユネスコに加盟できていないので、「コソボの」観光名所というよりは、「セルビアの」という感が強いのが事実。

 

では「コソボに来て一体何を見たらいいんですか?そもそも観光名所ってあるんですか?」
と言われると、言葉に詰まってしまうのも事実。

 

山や川は確かにきれいだし、旧市街の街並みも風情がありますが、そんなのコソボに限った話ではなく、ほかのヨーロッパ諸国にも同じようなのがゴマンとあって、しかもそっちの方が遥かにレベルが高いです。

 

コソボ、地味なんですねぇ。

 

コソボ独自の、となると、プリシュティナにあるビル・クリントンの銅像や世界一醜いと言われる国立図書館の建物といった、少しマニアックなものになります。
bill clinton

national library
そこで先ほどの活気なのです。

ようこそコソボへ!

コソボ観光として個人的にお勧めしたいのは、そこらへんにいる市井の人々です。

bar

前に、コソボに暮らす大多数の人々はアルバニア人ということに触れました。そのアルバニア人の性格が、コソボを特別な存在に仕立て上げているのに一役買っているのは言うまでもありません。

道を歩くと老若男女が「ハロー!」「ハロー!」と声をかけてきてくれます。コーヒー屋の前を通れば誰かが中から手招きをしてコーヒーに誘ってくれます。誰も好奇心を隠したりしません。

是非一度その活気に当てられてみてください。

ここではエスプレッソが50セントで飲めます。ビールも1杯1ユーロです。

それらを片手に椅子に座り同じように外を眺めれば、すぐ彼らに受け入れられていると感じることができます。

そしてみんなが口をそろえて言ってくるでしょう。

「コソボは安全だよ」「ようこそコソボへ!」と。
kosovan people

(この記事を読んでコソボが気になり始めたひとのための)
コソボ基本情報
通貨:ユーロ(1ユーロ=133円)
物価:ペットボトルの水350ml 25セント
ビザ:日本国籍なら90日までの滞在はビザ不要
言語:アルバニア語、セルビア語 英語もよく通じる
平均寿命:64歳
宗教:イスラム教 90%、その他(セルビア正教・ローマ・カトリック)10%
ちなみに。2015年末現在、コソボの独立を承認している国は111か国。国連加盟国中残りの85か国は未承認の状態です。 リンク→ コソボを承認している国々

city hall
↑ (コソボ第二の都市・プリズレンの市庁舎の壁。コソボの独立を承認している国々の名前とその国の言葉で「ありがとう」と書いてあります。下半分はこれから承認してくれる国々のためにスペースが空けてあります。)

この記事を書いた人

y s

y sコソボ定点観察人

バルカン半島好きが高じて2015年夏よりコソボを拠点に生活中。でも実際はラブ&ヘイト。過去6年間で中央アジア、ロシア、キューバ、イスラエル、バルト三国などにも訪問。ステイタスは I'm busy with being lazy。 コソボ(とバルカン半島)の魅力の啓蒙!なんて大義名分を掲げた結果、ただの個人趣味全開になったウェブサイト・「ほんとうは楽しいコソボ」をひっそりと展開中。

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